【感動ムービー】幸せの絵の具、実話とモデル人物の生涯

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アマゾンプライムで、おすすめしたい映画に出会ったので紹介します。

まだ観てないない人には絶対に観てほしいです。もう観た人には一緒に浸ってほしいです。泣けました。。

 

内容はネタバレしない程度にいうと、リウマチを患いながら絵画に喜びを感じる女性と、孤児院育ちの不器用な夫の物語です。実話が基になっていて、モデルはカナダの女性画家モード・ルイスさん。実物もとてもチャーミングです!

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彼女が描く絵もかわいい。

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ストーリーは全体的にセリフが少なくゆっくり進みますが、間延びして退屈することなく、美しい映像、役者さんの表情、全てがセリフ以上のものを伝えてくる。だから余計なセリフは要らない。観終わってから改めて、この映画すごいなって思います。

 

夫が妻を荷車に乗せて帰る、何度も出てくるこの景色が好きです。

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実話を基にした作品にありがちの脚色や、お涙頂戴的な感じは一切ないです。リアル感が伝えてくる深みというか、言葉にすると陳腐になるけどやっぱりすごい作品です。

 

幸せって何だろう? 誰もが望む幸せって、結局どんなものだろう?

地位、名誉、金、愛? 周りからは幸せから程遠い景色でも、電気ガス水道のない小屋で暮らす日々は、当人達にはかけがえのないものだったりする。

 

実際のモードさんは35歳で結婚して、絵が売れたのは60歳を超えてから。それまでは夫のエベレットさんが、魚売りのついでに彼女のポストカードを1枚25セントで売っていたそうです。

 

61歳で週刊誌やTVで取り上げられ、モードさんは一躍時の人となりましたが、お金が入った後も、二人は小屋でのつつましい生活を続けたそうです。かわいい家ですね。

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よく「幸せになるためには、相手を理解し受け容れよう」とか言うけど、この作品を観たら、それを意識して心がけるなんてチープに思えました。

 

映画の2人は互いに努力して分かり合ったんじゃない。一緒に暮らした長い年月が、互いの本質を心の深い所で解らせたみたいな感じ。

 

他人同士が一緒に暮らすのって、辛いことが沢山。それを我慢して同じ布団で寝て、一緒に食事をしていたら、たまに相手のいい所が見えて、それが長い年月で貯まった先に「分かり合う」があるのかな?私、相当ガマンが足りないな。

 

映画の中で、主人公は下等な人間として蔑まれ、悲しみと絶望の日々を送っています。そんな彼女だからこそ、人が見落とすような些細なことに命の美しさや幸せを感じる。窓の虫を、苦悩の混ざった笑みで見つめる女優さんの演技が凄いです!この人ホントにすごいです。

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一方、夫は前半はサイテーな奴です。「お前は俺→犬→鶏の次だ」と言ったり、殴ったり、初めてXXした後に「木にぶちこんだ方がまし」と吐き捨てる。今でこそあり得ないけど、この時代にはありふれたシーンだったのかもしれません。

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次第に彼女を大事に想うようになると、自ら家事を引き受けて絵を描かせてあげちゃう。一方で主人として服従させたいいびつな感情もあって。この映画はそういう描写の一つ一つに現実感があります。

 

妻だからこそ吐いてしまう暴言の後に、申し訳なさそうに温かい飲み物を持って行く。この最低で不器用な男、だんだん愛されキャラになっていきます。

 

そんな夫の偏屈な愛を理解し、周りの批判を気にせず愛し続ける妻。

分かり合うって、現実にはこんないびつな形だったりするんだろうな。

 

現実のモードさんの絵は、米ニクソン大統領がホワイトハウスに2枚も飾られ、当時25セントの絵は今では500ドルで売買されているそうです。幸せそうな色が、モードさんの残りの半生を表わしているかのようですね。

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