ロードバイクで走る熊野の旅、2日目は小和瀬をスタートして北へ南へ、最後は紀伊半島の真ん中へと走りました。やっぱり熊野は違うなぁ。今日も見どころ満載、そしてたくさんの人から温かい心遣いをいただきました!
サイクリングコースとしては、一部30度越えの斜度が数か所(足着いた💦)と丸山千枚田の坂以外は登りもキツくないし、1日目と違って舗装された道を走れるのはよかったです。ただ、、、今日は今日で別の大変さが… それは追い追い。
神秘の円座石
朝、宿を出て真っ先に向かったのは円座石。今回どうしても行きたかった場所が、たまたま宿の近くにありました。登り口まで自転車で行き、そこで自転車を置いて歩いて登ります。
朝の熊野の山はとても気持ちよくて。。人一人いない、凛とした空気の中で、鳥の声と自分の息遣いだけが聞こえる。朝日が木立ちと霧のフィルターで柔らかく射し込んで、それはそれは幻想的な、とてつもなく贅沢な時間でした。
自転車旅の人も、ここは是非歩いてみてください。超おススメです。円座石についてはこちらにもう少し詳しく書いてますので参考にどうぞ。
天然記念物、泉蔵寺のイチョウ
この日、宿で朝食にありつけなかったよしまるは、13km先のかあちゃんの店まで走って食べる予定でしたが、厨房のおばさまが「朝食まだでしょう?これどうぞ」とクロワッサンを、宿のご主人が熱々のコーヒーを下さいました。
朝食にありつけなかった事情はこちら。
最近よく迷うんだよね(-_-;)…💦 よしまるが「おばさん」なので、同世代はおばさんでよいとして、少し上の世代をおばさんと呼ぶべきか、おばあさんと呼ぶべきか? 今回は おばさま としました。いいんだよおばさんで!おばさんのレンジは広いんだーい!
宿を出る時、おばさまが「通り道に能城(ノキ)って所があって、大きなイチョウの木があるから是非見てちょうだい。今とてもキレイなのよ♥ イチョウの下が私の家なの」とすすめてくれました。聞いた時は庭の木くらいだと思っていて、よもや天然記念物の有名なイチョウとは想像もしていませんでした。
昨夜から大変親切にしてもらっているおばさまのおススメとあっては、是非行かねばっ。国道168号線を北上、聞いていた青い橋ってこれだよね?
能城と書かれたバス停も発見。あった、ノキってここだ!
とすると、あれがイチョウだね、たしかに立派!
ズームアップ!うわぁー。
はせひら食堂の手前の坂を上がります。これがすごい急坂で(-_-;)…こんな坂を毎日行き来して生活してるなんて、足腰強くなりそう。
最後はエイコラ自転車を引いて登り、階段下で置きました。むっちゃ汗だく。。
それを見事なイチョウが一瞬で吹き飛ばしてくれました!
よしまるご満悦♥ 幹の太さ、伝わったかな?
かあちゃんの店でほっこり❤
ここには美味しいと評判のめはり寿司や茶がゆ定食があるんだけど、それは11時から。9時の開館直後は売店のみで、かぁちゃん達が忙しなく仕込み中です。
幸い、売店には出来立てのちらし寿司があってゲット。かぁちゃんが「ここで食べてって」と席と温かいお茶を出してくれました。ありがとう。優しいお味にほっこり。
壁に、さだまさしさんのサイン。。似合うなぁ。
にしても、やけにお客さんが多いと思ったら、同じ敷地内に川下りの乗船場がありました。出発前の時間だったんですね。
移動手段として活躍してきた熊野川
少しまじめな話をすると、熊野は、南北の大陸がぶつかってできた地形。だから東西に山脈が広がり、南北の移動は困難です。その中で、熊野川のように南北に走る川は、移動手段として重宝されてきました。時に舟で、時に木材を運ぶ運河として。熊野は険しい自然の中にありながら、この「川ルート」のおかげで繁栄したと言われています。
そんなことを想像しながら、昨日の小和瀬からここまでの川を眺めて走りました。いつかよしまるも川下りもしたいなぁ。
紀伊半島大水害の爪痕
敷地内にこんなモニュメントがありました。
よく見ると「最高水位」とあります。ここは平成23年の紀伊半島大水害で、8.27mの高さまで水に被ったそうです。慰霊碑もありました。こんなに川幅が広くて見晴らしもいい場所が氾濫するなんて、信じられない気持ちです。とてつもない水量。。自然の恐ろしさを感じました。
空気を入れて、次の情報をもらう
かあちゃんの店は サイクルステーション なので、空気入れを借りて入れました。自分でやったらヘトヘトになって、すごく助かった💦
サイクルスタンドでロードバイクの人(すごいスピードでよしまるを抜いてった兄ちゃん)から、次の目的地、丸山千枚田まではトンネルだらけだと教えてもらいました。さっそく前後のライトをON!
トンネルだらけで怖すぎっ!
1週間前の花園温泉で、2kmの暗いトンネルに恐怖したばかりなのに、それがここでは当たり前のようにありました。
明るいトンネル、暗いトンネル、水たまりだらけのトンネル、果てなく続くトンネル… もう~どれも怖いです! 景色が見えない、空気が止まっている場所って辛いわー。例のように車の轟音も恐ろしい。。
大阪市内では対向車や人に確実にウザがられているであろう、よしまるライトが、ここではなんて心細いのかしら。ヒョェ~💦 嫌な汗が続きます。
トンネルは最終日まで続きました。トンネル嫌いは熊野の内陸は走れませんね。
ここは棚田の最下段だった件(-_-;)
トンネル道24kmは結構疲れたけど、自転車NAVITIMEが「あと少しダヨ」と教えてくれたので、少し元気を取り戻し… ん?? 道の標識とナビが微妙に喰い違うこの違和感はナニ?
途中からナビの道がなくなって… ナゼミチガナイ。。 残り8km延々と斜度10%越えの坂道が続きます。ここは丹生都比売神社かっ!
そしてひらけた場所は、棚田の最下段だった。。。なんという顛末…
よしまるはここで心折れました。フリース服を脱いで、水分補給。ふぅー。
よくネットで紹介されている棚田風景は、てっぺんまで登った場所なわけで。。「無理しなくていいよ、疲れたら足をつこうね」と言い聞かせてクネクネ上がりました。
ANGELS 17、大谷選手が田んぼを守備していました(笑)
こんな大岩がありました。
昔ここは作物の育たない貧しい土地で、生きるために、岩だらけの山を、当時の人達がどれほど苦労をして開墾してきたかと思うと、ただもう脱帽です。高低差160mの谷合に約1,340枚の棚田。風景はのどかですが、すざまじいものがあります。
小さい所で0.5㎡。トラクターで作業できる田ではありません。広大な敷地で大量生産するお米と同じと思っちゃいけないよね。たとえここで採れるお米が高くても、手間暇を考えると仕方ないと思える。効率化…市場価格…なんか考えさせられます。10年後、20年後、この棚田は水をたたえているだろうか。。
とうとうきたよ、北山村!
ここから下り&平坦道をひらすら15km走り、北山村に入りました。
ダム湖の水って淀んだイメージがありますが、ここの水はとても清らかで、なんて例えたらよいのかな? 深いエメラルドグリーンに色づいた山が映って、それはもう美しくて。。来た甲斐がありました。
動画はこちら
おくとろ温泉(サイクルステーション)に到着。こんな場所までよぅ自転車で来れたもんだ。着いた時はうれしさが込み上げました。
館内はマダム達で賑わっており、よしまるもそこで「吉野葛の衣で揚げたから揚げ定食」を食べました。1000円ですごくボリュームがあって、食べきれずに2個テイクアウトしました💦
北山村って?
この北山村は、とても特徴のある村です。
和歌山最東端の村、そして平成の大合併により、和歌山県で唯一残った村。
和歌山県の村でありながら、三重県と奈良県に囲まれた、日本で唯一の飛び地村。
敷地の97%が山林、残り3%に人が住んでいる。人口397人(2121年時点)。
どうして飛び地になったかというと、村の収益がほぼ林業で成り立っており、新宮との結びつきが強かったため、和歌山県所属を強く望み、それが叶ったからなんですね。昔は木材を川下りして新宮に運んでいましたが、それが命懸けだったので、後継ぎとなる長男でなく弟が乗ったことから、この川下りは「オトノリ」と呼ばれたとか。
じゃばら の産地としても有名ですね!
じゃばらは江戸時代には、村の各家の庭先で栽培されていたそうですが、衰退し、よしまるが生まれる前には1軒のみとなり、特産品化も上手くいかず。。そんな中、島根県の女性が毎年20kgも取り寄せているというので聞くと、花粉症に効くというので、そこから再興して、今や村おこしの代名詞となりました。
レストランの店員さんから「横の売店で数日前に採ったじゃばらの実があるよ」と教えて貰い、最後の1個を譲ってもらいました。家に持ち帰って食べようっと!
生じゃばらはまだ食べていませんが、「じゃばらウォーター」はむちゃくちゃ美味しくて、疲れてもこれを飲むと一気に元気になりましたよ!よしまるは方々で見つけるとは買ってました。大阪でも売ってくれたらいいのに。
熊野本宮まで33kmひたすら走れ!
日暮れまでに着けるように、アップダウン&トンネルをひたすら走る、走る!
深い谷を見ると、かなり高い場所まで登ったんだなぁと実感。
このころになると、よしまるはトンネルの入り口で必ず 全長 を確認するようになっていました。心の準備大事!
熊野本宮大社に着き、自転車を停めて、本宮まで石段を上がっていくと…
む、む、むちゃくちゃかっこいい! 茅葺のこげ茶色に黒い屋根飾り。八咫烏のイメージに合う漆黒。ザ・熊野といわんばかりの重厚な雰囲気はお見事でした!
注意)ここから川湯温泉へ向かいますが、この近辺で食料品を買えるのはこの辺りだけだと思っておいた方がいいです。川湯温泉とか名のある温泉街にもありません。
よしまるは昨日から無性に牛乳が飲みたくなったのですが… でも、そもそも売店がない上に、かあちゃんの店も北山村にも置いてなくて(-_-;) ここのヤマザキショップでようやくゲットできました。そもそも、熊野の山中にコンビニやスーパーを期待してはいけませんが、よしまるのような部外者はそれをわかっていないので、注意です。
川湯温泉サイコーッ!
本日お泊りする川湯温泉まで5km、仙人風呂にやってきました。水がきれいです!
来週解禁なのでライトアップはされていませんが、浸かっている人もいて、よしまるも足湯だけ楽しみました。岸に近い辺りから熱いブクブクが出ているので、少し沖に穴を掘って、石で囲って入るのがおすすめ。
おじさん達はバイクで滋賀から来ていて、他の2人がバイクを修理している間に、「じゃぁ俺たちは!」と入りに来ちゃったんだって。
よしまるも入りたいけど足でガマン。これだけでも足の疲れがすっかり取れました。
みどりやで混浴の露天風呂に初挑戦!
本日泊まった宿は、近くの旅館「山水館 川湯みどりや」と提携していたので、そこの立派な露天風呂を無料で入れるというので行ってみました。
外湯は混浴だけど、川に隣接しておすすめというので、よしまるも初挑戦。女性用の入浴着が用意されていました。これが昼間の写真、解放感あるでしょ?源泉なので体はのぼせるほどポカポカ。超~気持ちよかったです!
というわけで無事に2日目を終えて、明日は雨予報(というか暴風警報💦)。引くか押すか…。2日間で体がヘロヘロになってしまい、明日走る元気がでません。ええいっ、明日のことは明日考えよう! 体中に湿布を貼りまくって寝ました。
3日目に続く
1日目はこちら
【ロードバイク熊野旅情①】紀伊勝浦~那智の滝~妙法山~小和瀬