最近は季節柄、サイクリング途中で田んぼを横切ることが多く、そこらじゅうでもの凄く壮絶な蛙の「ゲーコ!ゲーコ!」が聞こえてきます。
サイクリング紀行を書きながら、そういえば彼らは何をそんなに鳴いとったのだろう?と思ってしまいました。調べるとこんな事情のようです。
カエルのオスは、メスをさそうときや、ほかのオスになわばりを示すときなどに、大きな声で鳴きます。
メスは?… 鳴かないらしいです。
など、色々と調べるうちに、妄想が膨らんでしまいました。
声で威嚇するだけの滑稽な世界
カエルのガン吉は、自分の縄張りを荒らされても追い払いにも行かず、その場で「ゲーコ(そこ、俺の縄張りだから!)」と鳴いて威嚇。
それを聞いたスネ助は、「ゲーコ(いや、そこ俺の縄張りだって!)」と言い返す。
ガン吉「ゲーコッ!(なんだと!もういっぺん言ってみろっ)」
スネ助「ゲコ!(ああ何度でも言ってやらぁ!ソコ俺の縄張り!)」
ガン吉「ゲーコッ!(んだとコラァ!)」
スネ助「ゲコ!(やるかコラァ!)」
・・・
繁殖期には決着のつかない争いが永遠に続き、メス達はこのくだらない言い争にいに、「あの人ステキ❤」「あの暴言イカスわっ❤」とトキめく。なんとも滑稽な世界です。
男嫌いのメスはどうするのか?
オスは自分の縄張りで大声で鳴き、メスは田んぼを自由に泳ぎ回り、気に入ったオスと交尾するらしいですが、中には男嫌いのメスもいます。
彼女にとって、田んぼはオオカミだらけの恐ろしい場所なのでしょうか?だとすると、つかまったら最後、鳴き声の出せない彼女は助けを呼ぶことも叶わない、とても過酷な環境。
彼女が安心して眠れる場所、、、そこはたぶん、草食系オスの縄張り。できるだけ声の小さなオスを探して、その小さな縄張り(と推測)で友達として一緒に暮らすことになるでしょう。
男好きのオスはどうするのか?
もし自分が男好きのオス蛙だったら、どうなるんだろう?
オスはそれぞれ自分の縄張りを持っていて、事実上、自分の縄張りから外には出られません。
隣から素敵な殿方の声が聞こえてくると、あぁその縄張りに行きたい❤という想いに駆られたりして。でもそこに立ち入ったらゲーコ!(来るな!)と拒否られて身も心も傷ついてしまう。そんな葛藤と戦いながら、声を聴くだけでガマンする日々を送ります。
主導権はどっちにあるのか?
そもそも伴侶を選ぶ権利は、オス、メスのどちらにあるのだろう?
権利はオスにあって、自分の縄張りに入ってきたメスと交尾できる?
権利はメスにあって、自由に泳いで数多のオスを品定めできる?
田んぼはどちらにとっての「ハーレム」なのか?という疑問があります。
鳴かない方がいいんじゃないか?説
ところで。
オスは鳴くことでメスにアピールする一方で、「美味しいエサはココだよ❤」と天敵に教えることになるから、それはそれで命がけのハズです。
でももし、伴侶を選ぶ権利がオスにあるなら、メスが田んぼを泳ぎ回っていれば、いつか自分の縄張りに入ってくるだろうから、ウツボのように黙って待って、安全に子作りするのも手なのでは?
でも、そうせずに大声で鳴くのは、①単に考えられないおバカさんか、②メスに主導権があるか、③声を出さなきゃプライドを保てないか。
いずれにしても、オスが大声で鳴くおかげで、それを捕食する生き物の命の連鎖が回るのだから、声の道具しか使えないようにした神様はすごいな、と思いました。