個性豊かな街、呉を満喫

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先週末、夜行バスで、着いた早朝から丸2日間、宮島~広島市街~呉と3か所をまわってきました。今回は「呉」の旅行記です。

宮島、広島を併せて読むと、2日間でどれだけ周れるか参考になると思います。

 

ドハマり!珍来軒

呉駅12:03着。改札を出ると、呉氏がお出迎え。

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10分程歩いて 珍来軒に到着。少し並んでお目当ての呉冷麺を食べました。

なにこれ? ドはまりする美味しさです、よしまる★★★★★!

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家でも食べたいのでタレも買いました。

お昼の短い時間しか営業していないので、行く際は注意してください。

 

入船山記念館で歴史を学ぶ 

この辺りから、昨日から歩き続けた疲労で足が痛くなってきましたが、励まし合って歩きます。入船山記念館に向かう途中のマンホール。

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雰囲気のいいレンガ坂を上がって、入船山記念館 に到着。

ここでは、呉が ”戦争” とどう関わってきたかを学びました。

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元々ここには亀山神社がありましたが、1886年に大日本帝国海軍に接収され、呉鎮守府司令長官の官舎として代々利用されます。官舎内は大変豪華な来賓室がある一方、その奥の住居空間は質素な和室でした。

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当時は辺り一帯に爆薬庫、軍病院、訓練場があり、軍人さんのためのカフェ、旅館、映画館などができて、街全体が軍港基地として栄えます。勢いがあり、太田川に国内発の大規模ダムによる水力発電所が作られ、広島一体の電力を賄ったそうです。

 

ですが、広島の原爆の数か月前に、呉は大空襲で軍艦が全滅、街全体が焼け野原となります。惨事の状況がここで紹介されています。前日に原爆資料館を見てきた後ですが、空襲による被害も目を覆いたくなるものでした。

 

呉の戦争の歴史については以下サイトにも詳しく紹介されています。

 

一方で、官舎の壁紙には 金唐革紙 が使われていて、美術工芸として素晴らしかったです。折しもその催しもしていました。これは先ほどの来賓室の壁紙アップです。

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すごい凹凸模様、伝わるでしょうか? こういう木彫りのローラーでエンボス加工して、紙を牛革のように見せる技術だそうです。ローラーの横長は1m以上あります。

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あまりの美しさに見とれてしまいます。

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歴史のみえる丘

足が痛いのを励まし合って歩くと、海岸に臨む住宅街の一角に、歴史の見える丘がありました。Googleマップがなければ見落としてしまったと思います。

 

海を一望すると、戦艦「大和」を建造したドックの上屋を眺めることができます。写真では伝わり辛いですが、スケールが大きくて圧倒されます!あと戦艦って縦割りでパーツを作っていたんだとわかりました。

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アレイからすこじま

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日本で唯一、潜水艦を間近で見れる公園ということで、行ってみました。

 

ただ、とにかく遠いです! これ以上歩けない~と音を上げそうになったところに運よくバス停があり、待つ間もなくバスが来て乗車。何十分も歩く距離を数分で行けました。いざとなったら呉駅からでているバスがあることを想定しておきましょう。

 

誰もいなくて、本当にここは公園なの?と思いましたが、やっぱり公園でした。写真の景色も貸し切りでした。コロナの時期でなければ内部を見学できるそうなのですが残念。外から眺めるだけですが、これはこれで貴重です。巨大なシャチに見えます。
 

てつのくじら館

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ここから先ほどのバスを使って一気に呉駅に移動、てつのくじら館 に行きました。徒歩だと急ぎ足でも40分はかかると思うので、バスがおすすめです。

 

ここは自衛隊が管理する施設で入場無料です。コロナ期の今は人数制限をしているので注意してください。少し並んで待って、最終の15:30~17:00枠に入りました。

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ここはとても面白い場所でした。戦後の自衛隊が、海中に無数にある地雷の撤去活動をしていたとはじめて知りました。日本海側に漂着したおびただしい数の地雷と、海中に潜んでワイヤーにひっかかると爆発する地雷の恐ろしさ、命をかけて世界中の地雷を撤去する自衛隊員の取り組みが紹介されていました。

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戦後の潜水艦は、この地雷撤去に大いに活躍したそうです。隊員のベッドには隙間が殆どありません。更に下の階級の隊員は、ロッカーもありません。

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隊員に与えられたスペースはわずかで、じゃがいも等の食料は食堂の長椅子収納に。艦内は真っ暗なので、昼は昼白色、夜は赤色の照明で昼夜の感覚を保つそうです。

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「潜水したら耳が痛くなりませんか?」と質問したら、「鼓膜が潜水に耐えられるかの試験に合格した者でないと、潜水艦には入れません」との回答でした。

 

実際の潜水艦にも入れてもらいました(ここだけ撮影NG)。通路も何もかも狭くて機械だらけです。こんな経験なかなかできないし、何もかも新鮮でした。

 

最後に、絶品の軍艦カレードック。癖になるカレールゥも素晴らしいのですが、隠れクルミが歯ごたえと味に深みを出していて、これはやられました!バンズもどこぞの安物ではなく、柔らかいのに噛み応えあって美味です。

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呉の夕食

17:00にてつのくじら館を出ると、外は日が落ち始めていました。そこから藤本通りに出る 呉の屋台街 に向かいます。途中、変わった自販機を見つけました。

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呉ではだし汁が自販機で売られているとは、恐れ入りました。

 

この時期の川沿いにはクリスマスのイルミネーション。戦艦です。

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私達が行った17:30はまだ開店前で、どの店も準備中でした。

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驚いたことに、どの屋台も手押しのリヤカーでやってきて、営業開始まで約2時間かけて準備をするそうです。見てくださいこのクオリティ。リヤカー1台がこんな立派な小屋に変身するとは、超クールです!

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屋台は深夜まで営業した後、また数時間かけて店じまいするそうです。この営みを続ける屋台の方々に頭が下がります。今回は電車の都合で屋台は断念しました。

 

気を取り直して向かった先は、関白

むき出しの厨房が、どこまであるの?という位奥まで続いています。そこに店主一人だけ。雑然とした店内はいい意味で小汚く、昭和の香りがします。「ここは長いんですか?」と聞くと、店主が「創業60年、私で3代目さ」と答えてくれました。

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店主は惚れ惚れするほど手際がよく、すごいスピードで並行作業をこなしていきます。勢いよく点火すると、あっという間にテールスープが完成しました。 

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テールは、特製ポン酢を絡めていただきます。スープはポン酢を混ぜて飲むのがおススメだそうです。肉は柔らかいし、濃厚スープも美味です。〆にうどんを入れてもらいました。もう満腹っす!

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体が芯からぽかぽかします。18:50呉発のJRで広島駅に帰りました。

 

まとめ

いかがでしたか?

 

午後から半日の散策でしたが、戦争の歴史を学べて、超のつくほど巨大な船舶や生の潜水艦を見れて、実物の潜水艦の中にも入れるなんて、ここでしか経験できないことばかり、充実した時間でした。

 

駅ターミナルでバスを待つ、丸刈りの青年を見かけました。大きな迷彩色の荷物を持っていたので自衛隊員だと思います。私にとって新鮮に映るこうした風景は、きっとこの街の日常なのでしょう。

 

街は金属とサビの色が多く、全体的に少し昭和の香りがしました。観光地として賑わっている印象はありませんが、大通りを入ると商店街があって、地元の懐かしさを感じる賑わいにホッとします。

 

最近はどこの街に行っても同じ風景、同じ食べ物で辟易しますが、呉には独特な雰囲気があり、呉氏が観光地としてアピールしている割に、地元の人たちは全然気張っていない感じ、そのギャップに大変好感が持てた街でした。