柿酢を作りました!

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通りすがりの青空市場で、柿が「買って!」光線を送ってきました。

15個250円という安さ。柿の名誉の為に申しますが、一つも腐っていませんよ。熟れに熟れて今にも腐りそうな柿が大量となれば、使い道は一つ。柿酢 を作ります。

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柿酢って?

柿酢はその名のとおり、柿で作ったお酢です。

味はフランスやイタリアの名だたるシェフから高評価されるほどで、フルーティーで、熟成させるほどにまろやかな深みを増していきます。ウイスキーみたいですね。

 

実は私、柿酢作り11年のベテランです。写真は初めて作った年のもので、透明な濃い琥珀色は、熟成と共に色が濃くなりました。

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この柿酢、拍子抜けするほど簡単に作れます。

材料は柿だけ。甘柿も渋柿も、早熟も完熟も、品種に関係なく柿なら何でもよし!他には何も要りません。100%天然のお酢です。

 

今回は、柿酢の魅力と作り方をご紹介します。

 

柿酢の効能

体にいいと言われるお酢の中でも、柿酢の健康効果は黒酢の3倍と言われます。

 

柿は、ビタミンCがみかんの2倍、ポリフェノール(タンニン)がぶどうの5倍もあって、「実も葉もヘタも丸ごと使える成人病薬」「人類最古の栄養食」として古くから民間療法に利用されてきました。

 

巷で売られる「飲むお酢」はお酢に果物を漬けたものですが、柿酢はそれ自体の糖分を酢に変化させたものなので、柿の栄養が丸ごと凝縮されています。

 

中でも、血液サラサラ効果のあるカリウムは、黒酢の3倍、米酢の10倍以上含まれ、疫学調査でも血圧低下の効果が明らかになっています。(和歌山県と和歌山県立医科大学の共同研究)

 

先人の知恵

柿酢を知った当時は、昔の人の知恵に感動したのを覚えています。

 

柿酢は柿を発酵させて作るのですが、この発酵菌、実は柿の皮の表面に付いている白い粉なんです。柿の天然酵母。なので材料は柿の他に何も要りません。

 

昔の人は、柿が採れると大きなカメに入れ、春先まで発酵させたそうです。科学も何もない時代にお酢を作り、食物の保存や料理に生かした先人の知恵に奇跡を感じます。

 

他にも、夏場は寿司を葉で包んで日持ちさせたり(柿の葉寿司。柿の葉は食品保存に有効なタンニンとビタミンCが豊富)、冬場は干し柿にして長期保存し、貴重なビタミン源を確保しました。皮は乾燥させて粉にして甘味料として使われました。

 

冷蔵庫のない時代の、自然の恵みを最大限に活かした素晴らしい知恵です。

 

作り方

用意するもの

・柿(瓶に入る量)

・果実酒用のガラス瓶

・布巾

 

作り方

1.柿は洗わず軽くほこりを取り(天然酵母を取らないため)、ヘタを取り除きます。傷んだ箇所は包丁で削っておきます。

 

2.ガラス瓶に、ヘタ側を下にして入れます。潰れてもいいのでぎゅーっと押しこんで、出来るだけ隙間を詰めます。 

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3.瓶が一杯になったら、酵母菌が息できるように、布巾をかけて口をヒモやゴムでしっかり止め、廊下の端など涼しい場所に置いておきます。

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 (ここから先はでき次第写真を掲載します)

 4.数日経つと泡が出て発酵が始まり、水が出てきます。水に浸かっていない部分をヘラなどで押し込みます。

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5.更に数日経つと、腐りかけの果物のアルコールのような匂いがし始めます。形が崩れて醜い姿になりますが気にせず。

膨張して瓶の口あたりまで上がってきました、溢れ出ないかヒヤヒヤ。

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6.更に日が経つと、お酢の匂いに変わっていきます。お酢の強烈な匂いが辺りに充満するので、ここからは雨のかからない屋外に置くのがいいと思います。

底面に水がたまってますね。ちょっと酸っぱい匂いがしてきました。

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7.3ヶ月位して、完全に酢の味になったのを確認したら、上澄み液を消毒した瓶に移し、蓋をして冷暗所に保管します。出来上がりです。

 

基本的には放置でいいですが、以下の点だけ気を付けてください。

 

注意1 白いゲル

表面に白いゲルのようなものが浮いてきたら、これは産膜酵母といって害はありませんが、放っておくとお酢の酸味がなくなるので、ゲルを捨てるか混ぜ込みます。

 

注意2 青カビ

常温で発酵させる環境は、カビの繁殖に好都合です。発酵の過程で、酵母菌とカビ菌の戦いが繰り広げられるため、酵母菌が勝てるようサポートしなくてはいけません。

 

表面に青カビが浮いてきたら丁寧に除きます。被害が大きければ潔く捨てましょう。アルコール臭が酢の匂いに変われば酵母の勝ちです。暫くは毎日チェックしましょう。

  

残りカスから、柿渋が作れる!

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柿酢を取った醜い残りカスには、大量にカキタンニンが含まれます。なのでこれから柿渋を作ることができます。

 

柿渋って?

天然の防腐剤、防虫剤、防水塗料として古くから使われてきたもので、漆の下塗りに使用されたり、平安時代の下級侍が着ていた「柿衣」は、和菓子の名前にもなっています。伊勢型紙にも使われています。名のとおり、渋い色味がステキです。

 

本来の柿渋作りでは、青い渋柿を使います。これを柿酢と同じ工程で発酵させた上澄み液が「一番渋」、残りカスに水を加えて更に発酵させて絞った液を「二番渋」といい、これらを何年も寝かせたものが「柿渋」です。

 

つまり、柿酢の残りカスは、二番渋の材料としても使えるのです。

 

ただし、完熟の甘柿では作れません。柿酢を完熟の甘柿で作った場合は、残りカスは捨てるかコンポストで堆肥にするしか使い道がありません。

 

作り方は簡単。残りカスをミキサーでドロドロにして、ペットボトルに移してゆるく(息ができる位に)蓋をして数年間放置するだけ。水分がなくなったら足して、茶色になったらできあがりです。作業は必ずビニール手袋をして行いましょう。

 

まとめ

 いかがですか?

柿の種類、未熟・完熟を問わず作れて、しかも簡単に、フルーティーなお酢が作れます。柿が大量に手に入ったり、持て余して腐りそうになったら、柿酢をお試しください。