旭川市博物館が面白い!

 

旭川周遊の中で特に印象深かったので、一記事起こしました。

旭川市博物館!

 

旭川は、アイヌの人々が長年生活していた場所です。

博物館には、アイヌの人々の歴史や暮らしぶりが展示されていました。

 

よしまるのアイヌのイメージったら、小説「カムイの剣」と、アニメ「ゴールデンカムイ」だけのショボショボ…だから、行く前から楽しみでした。

 

正直、入場料350円は安すぎます~!

それほど内容が充実していて、楽しめました。

フラッシュなしなら撮影OKなので、後で振り返れていいです。

 

リアル~

等身大のアイヌの人形がいて、暮らしぶりがリアルに再現されていて、わかりやすかったです。こんな服を着て、こんな家に住んでたんだ。。

 

秋、冬に備えて遡上した鮭を保存する様子。半袖で寒くないのかな?

 

11世紀頃の鍛冶屋の様子(本州は平安時代)

 

ヒエやアワを収穫する様子。カワシンジュの貝殻で刈り取るのだそう。

 

 

博物館キャラクター「ドグー」ちゃん。

 

厳寒の地を生き延びるチセ

アイヌの人々は、夏と冬で住居を別けて、冬は厳しい寒さをしのぐために、半分地面に埋まった竪穴式住居(チセ)に暮らしていたそうです。

 

 

ほほぅー、地中を断熱材にしたんだな…と思ったら、後で調べて驚きました。穴を掘って、分厚い屋根を敷くだけでは、-40℃の極寒には耐えられないそうです。

 

それで、火を焚いて暖を取るんだ…と思ったら、それも間違い。ただ火を焚くだけだと、-40℃の外気(酸素)が流れ込んで、住居内も-40℃になるという実験結果がありました。ひぇぇ~💦 焚けば焚くほど寒くなるなんて。

 

でも、そうならない工夫がありました。過酷な環境を生き抜いた人の知恵って、すごいよなぁ!それについては、いつか書きたいと思います。

 

大モンゴルとの戦い

アイヌは、自然の中で穏やかに暮らす民族だと、勝手なイメージを抱いていましたが、10世紀以降、他民族に攻め入り、略奪してきた歴史があり、驚きました。

 

15世紀には、カムチャツカ半島まで領土が広がっていました。

 

博物館には、略奪した宝物の山を背に座る、長老の写真がありました。宝物をたくさん持つと、それが後ろ盾となり守ってくれる、という信仰があったそうです。

 

元史(モンゴル帝国)の記録では、大陸の村々を襲って略奪行為をしたため、サハリン先住民からヘルプ要請を受けて、モンゴル帝国が1万の兵で討伐したとか。

 

けっこう鼻息荒い人たちだったのかな(笑)?

 

装飾品の数々

アイヌ紋様の手芸品を見るのも楽しかったです。

 

パッチワークで立体感を出し、刺繍を織り交ぜたインパクトある紋様は、どれも美しくて、手が込んでいました。ペンも型紙もない時代に、この精度で作品を作り、次世代に受け継いできたことが、すばらしいと思いました。

 

 

幅2mの大作です。上下左右対称の見事なバランスです。パッチワークの上に刺繍を重ねるのも、アイヌ紋様の1つです。カラフルな色は、恐らく全て草木染ですが、こんなに多彩な色を出せるなんて…教えてほしいよなぁ。

 

そもそもパッチワークは、布が非常に貴重な時代に、切れ端を利活用する中で、芸術として変化を遂げたものです。起源は紀元前のエジプトと、大変古いです。

 

アイヌのパッチワークは、どこから伝わったのかな?それとも独自で生み出したのかな? 記録がない分、想像を掻き立てられて、ロマンじゃん~♬

 

これ、アイヌの人の普段着です。

適宜、破れや穴を継ぎはいできたのに、すごい作品に仕上がっていました!不規則な色形の布を調和させるのは、最難度のパッチワークです。よくみると、切れ端はほつれないよう折り込まれていました。

 

 

革も、動物によって色・風合いが違うから、切れ端を大事に活用したんですね。

 

よしまるは帰宅後、道中で調達したトートバッグに、アイヌ流の刺繍をして、旅の余韻に浸りました。夜なべした…(-_-;)

 

 

イクパスィ(捧酒箸)も、細かな彫刻がされていました。模様をみれば、人が特定できたそうです。

 

 

館内は2階層になっていて、下の階は、北海道の動物や、極寒を生き抜くというテーマの展示があり、そちらも面白かったです。

 

最近のニュースについて

昨年(2022年)、ロシアのプーチン大統領が「アイヌはロシアの先住民」と発言し、一時話題になりました。エネルギー資源の豊富な北方領土周辺を、自国と主張する理由だとか、アイヌ民族保護を名目に、北海道に乗り込んでくる危険があるとか。

 

今更ですが、この旅行を機に、和人(よしまるも和人)によるアイヌ差別迫害の歴史の記事を、色々と読みました。

 

明治政府が蝦夷の地を北海道と名付けて、これからは日本の領土だ!と言い出して、原住民を追いやった。言葉を禁止し、文化を奪い、差別した。歴史の中では、私達(和人)が、蝦夷の地を奪った略奪者だと思うと、ねぇ。。切ない。

 

その私達が、ロシアが自国に乗り込んでくる、なんて言うのは、勝手に北海道を自国認定して、どの口が言ってるんだって、身勝手に思えました。

 

北海道が日本国だから、おいらはパスポートなしで気軽に旅行できるし、日本語も通じるから、有難いんですけどね。

 

戦争で勝った者が正義って現状かもしれないけど、自分の都合だけで考えないように、普段から気をつけたいと思います。平和ボケしてるのかな?

 

知ったり、考えるきっかけをくれた旭川市博物館に、感謝です!