ロードバイクの熊野旅、3日目は雨、走れる状態じゃありません。もう大阪に帰っちゃおうか、もう一泊して4日目(晴れ予報)を走ろうか迷いましたが、家族のススメもあって、とりあえず帰るのはやめました。
でも一日中部屋で何して過ごそう? … 気持ちが固まらないまま、ローカルバスで少しでも進むことに。マグロよしまる(-_-;)。
雨降ったおかげの、ステキな出会い!
バス会社に問い合わせると、輪行を快諾してくれて、有難いなぁと思いながらも… 次のバスが5時間後とは💦… そこは贅沢言えません。
ロビーの隅で輪行をセットしていると、土産コーナーに品物を納品しにきた人が話しかけてくれて、「そんなに待つなら乗せてくよ!」 なんと車で運んでくれました。不慣れな土地でしかも雨。心細いよしまるの心は、すごーく救われました。
会話が弾んで、あっという間に 道の駅「熊野古道中辺路」に到着。ちょうどお昼時、ここで一緒にお昼を食べました。鮎のひつまぶし、美味しかったです!
立木染 の 吉水さん。
気さくで、知識も経験も豊富。今回色んなことを教えてもらいました。
雨のおかげかな、このうれしい出会いに感謝です! このあと吉水さんに、彼の工房や、近くの見どころをガイドしてもらいました。ありがとうございました!
継桜王子と、近くにある とがの木茶屋 の紅葉
横にある野中の清水(日本の名水百選)
「いにしへのすめらみかども中辺路を 越えたまひたりのころう真清水」
斎藤茂吉が昭和9年に詠んだ歌。先人も旅の途中、ここで水を飲んだんだなぁ。
立木染の素晴しさ!
さて、立木染をはじめて知りましたが、ちょっと感動的でした。まさに自然と人が造り出した宝石。見た目もさることながら、作られる過程も素敵でした。
よく見れば木目とわかりますが、ぱっと見気づきません。どうみても宝石。ものによってはキャッツアイに見違えるほど美しいです! 宝石ってオパール以外は一色なのが一般的ですが、こちらは多色。グラデーションがまた美しいです。
そして、とにかく軽い! 大きさは500円玉強といったところ、存在感あります。これが宝石なら、ペンダントだと肩が凝るし、イヤリングだと耳が痛くなるよね。でも木ですからねっ、なんと7グラム。手に乗せた時はあまりの軽さに絶句でした。
たんすの肥やしにせず、思いっきり楽しめる使い勝手の良さは魅力だなぁ。冬のタートルセーターの上に着けると映えそう❤
生きた木で作る!
魅力的といえば、その作り方。森の生きた木 を使うんですって。「太陽の光が葉にあたることで光合成が行われ、根から水分や栄養分を吸い上げます。その吸い上げる自然の力を利用して染めます。」「葉の量や天候に左右されるので、どんな色柄に染まるかは切るまで分からないんですよ」と吉水さん。ワクワクしますよね。
長い時間をかけて、吉水さんと木の対話から生み出される作品なんだなぁ❤
間伐材で作る!
代々林業を営んでいる吉水さん。立木染は、間伐材や木材を搬出する際、支障となる支障木、切り捨てられる運命の木から作られるそうです。吉水さんの手で美しい宝石に生まれ変わるなんてロマンチックです。
工房を見せてもらいました。
切り出した板は、年輪の模様に合わせて色んな色が吸い上げられて、どれも個性的。手作業で磨き上げた作品はどれも一点もの。ずっと見ていたいと思いました。
動画もありました。よしまるが感じたことが伝わるといいな。
そんなこんなで話は尽きず。。結局川湯温泉に引き返してもう一泊。夕食もご一緒させてもらい、とてもとても楽しい時間を過ごしました。
宝泉寺の巨大いちょう、スケール大きい!
翌日は快晴。昨日の吉水さんが、おすすめスポット「宝泉寺のいちょう」まで車で運んでくれました。こんな親切を受けて、もう~感謝しかないです!
デカいっ!
と、着いていきなりビックリしました。よしまるの人生で過去最大のイチョウの木。朝8時に既に何組か来ていて、やっぱり人気なんですね。
イチョウの黄色、爽やかな空の青、スケールが大きくて清々しい~。絵本の挿絵のような景色が本当にあるんだっ。お見事でした!
いつもは景色ばかりの旅写真ですが、カメラが趣味の吉水さんが、よしまる入りのをたくさん撮ってくれました。よしまるのセンスレス写真とは大違い(-_-;)
どんだけ大きいか、伝わった?
最終日4日目は、ここで輪行セットから自転車を出してスタートです。
よしまる、熊野のアドベンチャー林道にハマる。
明日から仕事だから、日没までに東海岸に着きたくて… ペダル回しまくって時間を稼ごう~!と思ったのに… さすが熊野古道、そんな甘い考えは通用しないゼ。今日も強烈なアドベンチャー林道が待ち構えていました。
初日よりずっと激しいやつ…(-_-;)
そこら中に大きなクラック。路面は苔むして滑るし、前日の風雨で直径2~3センチ級の枝が散らばり、斜めに超えればツルッ! 湿った落ち葉がワンサカ。
何より石が! 直径5~10センチ級の石がゴロゴロ、とても避けきれません。そこにきて14度の登りが続きました。もっと怖いのは下りで、こんな状態の道を斜度20度で下る恐怖といったら…。ここでスピード出したらよしまるはこの世にいないでしょう。
ん…あれ?
なんだろうこの気持ち。。なんか楽しい。連日のアドベンチャー林道に、ドМよしまるは、楽しくなってきました。苦しいのに、あれぇー?
より自然に近い道、自然の過酷さが感じられる道。上手く言えませんが、ただ舗装された道を走るのと違ったリアリティがあって、もちろん景色もよくて、なんかいい。
緊張して全身に力が入ると「危ないって」と感覚が訴えてきて、ふぅーっと呼吸を整える。目の前の障害物を必死に察知して、ハンドルを小刻みに操作する。気を抜くと滑るから、自分の集中力MAXを全身で出し続けなきゃいけない。全身から吹き出る汗。それでも滑るから「転ぶなら山側に倒れる!」って意識して、実際に何度か倒れて「転び方にもコツがいるなぁ。そういえば最近、転んでないなぁ」と思ったり。
これはハマります。この道、来年も来よう❤ と思いました。
最終日はチェックポイントをひらすら走る!
最終日の今日はもう、ひたすら走りました。田辺駅まで走る予定でしたが、早く着きすぎるので、欲ばって、もう少しチェックポイントを稼ごうと、当日走りながら御坊ルートに切り替えました。ただ… とにかく寒かったです。
熊野古道館
道の駅「紀州備長炭記念公園」。「かわや」がなんかカワイイ。
ここでお昼ご飯。炭ラーメンで体を温めます。
途中、「HOCCO」さんで糖分補給と、冷えた体を温めてと。
道の駅 水の郷日高川 龍游。寒いよぅ、立ち寄りたいけど~、今回はガマン!
道の駅「sanpin中津」でトイレ休憩。便座に座って束の間のホッ。
ここで産直品の激安ライムに釘付けになり、重いとわかっちゃいるのに、安売りに負けて10個も買ってしまいました💦
なんとか日没ギリギリに御坊駅に着きました。
ここから2時間以上電車にゆられる気力はなく、くろしおで輪行しました。
4日間の熊野の旅、頭も体も整理しきれないほど濃い旅となりました。快く送り出してくれた家族にも、旅先での親切にも、歴史や自然にも感謝!
あとで結果みたら、寒いのに、むっちゃがんばったやんけー!