【熊野古道の旅】円座石(わろうだいし)の神々しさに触れ、災難にワロウ

f:id:naru443:20211128101200p:plain

ロードバイクで熊野を巡る旅の2日目は、朝から熊野古道の大雲取越に入って、円座石に行きました。

 

円座石ってとっても神秘的。

霧に包まれた幻想的な山林に、苔生した大岩。刻まれた梵字はいつ、誰が、何のために彫ったのかも謎。よしまるは写真をみて、どう~しても、行きたくなったのれす。

f:id:naru443:20211127003909p:plain

 

なんと、運よく宿の近くから歩いて行けるではないの! これは「よしまるよ、行くがよい」とのお告げに違いありません。ということでいざっ

 

【注意】Googleの経路では辿り着けない!

いきなりですが、ここで注意です。

Google経路情報によると、近くまで自転車、そこから徒歩1分と案内されるのですが、宿の主人からは「そんな道はにないよ」と言われ、片道徒歩20分位の行き方を教えられました。

 

ちなみにGoogleではこんな風に案内されます。

f:id:naru443:20211127010256p:plain


とりあえずGoogleの案内に従って行くと、そこは…すごい勾配の獣道でした。ご主人に教えてもらってよかったー。じゃなきゃ絶対に行けなかったよ。

というわけで、行き方を書いておきます。

 

行き方

まず、Googleで「大雲取越入口」を検索して、そこに向かいましょう。NAVITIMEでは出ないし、住所で検索すると違う場所を指すのでダメ。

f:id:naru443:20211127011351p:plain

 

ちなみに、「大雲取越入口」付近の停め場所はガードレール横くらい。気になるなら宿に置いておき、そこから歩きましょう。ちなみに現在、宿は2つしかありません。うち「民宿百福」は営業しておらず、「小口自然の家」のみです。

 

「大雲取越入口」の上り階段です。ここから入ります。

f:id:naru443:20211127012212j:plain

 

民家横の細道を進み…

f:id:naru443:20211127012312j:plain

 

獣道のようになりますが、気にせず進みます。

f:id:naru443:20211127012343j:plain

 

道幅が広くなり、山道らしくなります。

f:id:naru443:20211127012422j:plain

 

徐々に階段が増えていきます。

f:id:naru443:20211127012520j:plain

 

だんだん霧が濃くなってきました。幻想的な景色の中によしまる一人… 聞こえるのは自分の息遣いと鳥の声だけ。贅沢な、宝物のような時間です。

f:id:naru443:20211127012600j:plain

 

円座石はどこ?ひょっとして通り過ぎたのかしら?

少し不安になりながら登り続けると、大きな岩が現れました。円座石は大きいので、通り過ぎることはないのでご安心を。

f:id:naru443:20211127013043j:plain

 

苔の隙間から梵字がみえます。

f:id:naru443:20211128085737j:plain

 

初盤、手振れがひどいですが、臨場感をオスソワケ。

 

わろうだって何? 梵字には何が書いてある?

円座石、「えんざいし」と書いて、「わろうだいし」と読みます。

わろうだとは、藁(わら)で編んだ円形の敷物のこと。こんなやつ。

f:id:naru443:20211128090839p:plain f:id:naru443:20211128090850p:plain

 

岩に描かれた3つの梵字は、いつ、だれが、なんの目的で書いたかは謎ですが、梵字は1文字で神の名を示しており、熊野に棲む3神が、ここで談笑したと言い伝えられています。右が阿弥陀仏(本宮)、中央が薬師仏(新宮)、左が観音仏(那智)。

 

仏じゃん、神じゃないじゃん!というツッコミは今更なしですよ。ここは熊野、神仏習合ですからね。

 

細かいことは放っておき、神様がわろうだにドッコイショと座ってワイワイ談笑する姿… 想像すると萌えー❤ です。

 

わろうだってはじめ、笑うた かと思いました。神々が談笑していたなら、あながちこっちの解釈もあるのでは?(と勝手に思う)。笑うた石!

 

過去の災難、笑えないけどワロウてしまった

最後に、忘れがたい旅の思い出を。

 

勝浦の宿でコーヒーを飲んでいたとき、宿のオーナーとワロウダして教えてもらったのですが、過去に円座石の苔が剥がされて丸裸になった事件がありました。

f:id:naru443:20211128094004p:plain

 

一体だれがこんなことを… なんて寒そうな姿…💦

 

ここの苔だけ自然現象で剥がれたとか、動物の仕業だとは考えづらく、人の仕業とされましたが、円座石は文化財じゃないので、苔を剥いでも罰則はありません。

 

苔生した元の姿に戻るのに5年はかかると言われ、当時、保全する地元の方々や、訪問を楽しみにしていた人には、かなりショックだったと思います。

 

と、笑えない話… なのですが。。

 

宿のオーナーのヒソヒソ話がつづきます。

「これって笑えない話じゃない? 僕もあそこ大好きな場所だからショックでしたよ。でも僕、苔を剥いでる人のことを想像しちゃってね。あんなにキレイに剥がせて、剥がしてる時すごーく気持ちよかったんじゃないかなって思うの。不謹慎って思いながら、ついププって笑っちゃう」

 

ププッ、ホントだ。想像して一緒にワロウちゃった💦

 

彼にとってもショックな事件だけど、それを笑いに変えちゃうってステキだな。

過去は巻き戻せないんだもの、それを辛くするのも楽しい記憶にするのも、自分次第ってことだよね。これから先、なんども思い出したいって思うシーンでした。