ロードバイクで熊野を巡る旅の2日目は、朝から熊野古道の大雲取越に入って、円座石に行きました。
円座石ってとっても神秘的。
霧に包まれた幻想的な山林に、苔生した大岩。刻まれた梵字はいつ、誰が、何のために彫ったのかも謎。よしまるは写真をみて、どう~しても、行きたくなったのれす。
なんと、運よく宿の近くから歩いて行けるではないの! これは「よしまるよ、行くがよい」とのお告げに違いありません。ということでいざっ
【注意】Googleの経路では辿り着けない!
いきなりですが、ここで注意です。
Google経路情報によると、近くまで自転車、そこから徒歩1分と案内されるのですが、宿の主人からは「そんな道はにないよ」と言われ、片道徒歩20分位の行き方を教えられました。
ちなみにGoogleではこんな風に案内されます。
とりあえずGoogleの案内に従って行くと、そこは…すごい勾配の獣道でした。ご主人に教えてもらってよかったー。じゃなきゃ絶対に行けなかったよ。
というわけで、行き方を書いておきます。
行き方
まず、Googleで「大雲取越入口」を検索して、そこに向かいましょう。NAVITIMEでは出ないし、住所で検索すると違う場所を指すのでダメ。
ちなみに、「大雲取越入口」付近の停め場所はガードレール横くらい。気になるなら宿に置いておき、そこから歩きましょう。ちなみに現在、宿は2つしかありません。うち「民宿百福」は営業しておらず、「小口自然の家」のみです。
「大雲取越入口」の上り階段です。ここから入ります。
民家横の細道を進み…
獣道のようになりますが、気にせず進みます。
道幅が広くなり、山道らしくなります。
徐々に階段が増えていきます。
だんだん霧が濃くなってきました。幻想的な景色の中によしまる一人… 聞こえるのは自分の息遣いと鳥の声だけ。贅沢な、宝物のような時間です。
円座石はどこ?ひょっとして通り過ぎたのかしら?
少し不安になりながら登り続けると、大きな岩が現れました。円座石は大きいので、通り過ぎることはないのでご安心を。
苔の隙間から梵字がみえます。
初盤、手振れがひどいですが、臨場感をオスソワケ。
わろうだって何? 梵字には何が書いてある?
円座石、「えんざいし」と書いて、「わろうだいし」と読みます。
わろうだとは、藁(わら)で編んだ円形の敷物のこと。こんなやつ。
岩に描かれた3つの梵字は、いつ、だれが、なんの目的で書いたかは謎ですが、梵字は1文字で神の名を示しており、熊野に棲む3神が、ここで談笑したと言い伝えられています。右が阿弥陀仏(本宮)、中央が薬師仏(新宮)、左が観音仏(那智)。
仏じゃん、神じゃないじゃん!というツッコミは今更なしですよ。ここは熊野、神仏習合ですからね。
細かいことは放っておき、神様がわろうだにドッコイショと座ってワイワイ談笑する姿… 想像すると萌えー❤ です。
わろうだってはじめ、笑うた かと思いました。神々が談笑していたなら、あながちこっちの解釈もあるのでは?(と勝手に思う)。笑うた石!
過去の災難、笑えないけどワロウてしまった
最後に、忘れがたい旅の思い出を。
勝浦の宿でコーヒーを飲んでいたとき、宿のオーナーとワロウダして教えてもらったのですが、過去に円座石の苔が剥がされて丸裸になった事件がありました。
一体だれがこんなことを… なんて寒そうな姿…💦
ここの苔だけ自然現象で剥がれたとか、動物の仕業だとは考えづらく、人の仕業とされましたが、円座石は文化財じゃないので、苔を剥いでも罰則はありません。
苔生した元の姿に戻るのに5年はかかると言われ、当時、保全する地元の方々や、訪問を楽しみにしていた人には、かなりショックだったと思います。
と、笑えない話… なのですが。。
宿のオーナーのヒソヒソ話がつづきます。
「これって笑えない話じゃない? 僕もあそこ大好きな場所だからショックでしたよ。でも僕、苔を剥いでる人のことを想像しちゃってね。あんなにキレイに剥がせて、剥がしてる時すごーく気持ちよかったんじゃないかなって思うの。不謹慎って思いながら、ついププって笑っちゃう」
ププッ、ホントだ。想像して一緒にワロウちゃった💦
彼にとってもショックな事件だけど、それを笑いに変えちゃうってステキだな。
過去は巻き戻せないんだもの、それを辛くするのも楽しい記憶にするのも、自分次第ってことだよね。これから先、なんども思い出したいって思うシーンでした。