先日「We Work」というコワーキングスペースを見学しました。
アメリカを中心に800か所以上の都市部、日本でも東京を中心に34か所展開され、コロナ禍を受けて需要が高まっています。
中に入ると、1Fと2Fにオシャレなカフェスペースが広がります。画像のように大小のテーブル、大きなソファーがゆとりをもって配置され、自分のオフィスからこの共有スペースに自由にやってきて、コーヒーブレイクしたり、ここで仕事や商談をしています。
ドリンクはフリー。夕方からはビールも飲み放題。キンキンに冷えたグラスを取り出してCurlsBurgなどを楽しめて、食べ物も持ち込みも自由。24H365日使えるそうです。
はぁ、夢のような職場~❤
数名~数百名のオフィスがあるので、人数の変動に柔軟に対応できる他、個室スペースで一人集中したり、聞かれたくない電話もできます。
まぁとにかく全てオシャレで、トレンディドラマのセットさながらです。
見学メンバーは私も含め中年層がメインでしたが、この空間にいると、もさいオジサン、オバサンでもオシャレに見える、すごい効果です!
他にも We Work は コミュニティ という魅力がありますが、それはさておき、メンバーが口々に「こんな気持ちいいい空間で働きたい」と言ったのには驚きました。中年層まで虜にするとは!
どうして在宅じゃだめなのか?
説明員の方に質問しました。
「どうして通勤費のかかる職場と自宅の間に位置するこちらを、高額で借りる企業が増えているんでしょうか? 在宅でいいのでは?」
するとこんな回答が返ってきました。
「家は、仕事をするには難しい場所のようです。」
・子供がじゃまをする、気になる
・伴侶に見られると仕事しづらい
・椅子の座り心地が悪くて長時間が辛い
・誰にも見られないとついサボってしまう
・時間にルーズになる
・リモート会議が上手く進まない
・閉塞感があって、長時間いるのが辛い
・人との触れ合いがなくて、精神的に病んでしまう(最近増えているそうです)
確かに。私にも思い当たることがいくつかありました。
毎日通勤すれば解決するものもいくつかありますが、ここは職場と何か違います。見学者全員が「仕事をしたくなる」「ここなら仕事がはかどりそう」と言うのです。
何のからくりが…?
説明員の方に聞くと、空間に色々と仕掛けをしているとのことでした。
その一つがゆとり。スペースに入る什器を大きく減らしてでも、ゆとり空間(ムダ空間)を作った方が、働く人が快適に仕事ができるそうです。
自宅に快適な仕事空間を作るには?
コワーキングスペースは企業間交流の場としての魅力があるし、在宅ワークの問題をクリアしているので、これからも需要が伸びるのではないでしょうか。
一方、料金が高額なので利用者が限られそうです。もし、自宅に理想的な仕事場が作れたら、コワーキングスペースが要らない時代が来るかもしれません。
ということで、WeWorkをお手本に、自宅の仕事空間に必要な条件を考えてみました。
モノがない
空間に意識が向くモノが 何もない こと。We Work の調度品も無機質で、気が散らない配慮がされていました。人にもよりますが、空間に生活関連のモノを一切置かないのが理想だと思います。
空間を贅沢に使う
いくつかのスペースを設けて、気分に合わせて場所を変えられるようにする。できれば広い場所と狭い場所の両方があった方が快適だろうと思います。
まず、小さな一角を設けて、小さなデスクと椅子のプライベート空間を作る。子供も伴侶も気にせずに済む場所。
これと別に広いスペースを設ける。より解放感を得られるように、むきだしの床面積を多くする。四角い部屋の壁面に平行に配置せず、斜め置きして贅沢に使うなど、非家庭的な、非職場的な空間にする。
在宅すると、生活と仕事が同居するので、両方のストレスが家に集中します。そこに一日中いるなら、どちらのガスも抜ける非日常空間が必要では?と個人的に思います。
好きなカフェの雰囲気を真似するのも手っ取り早く「あり」ですね。
シンプルな什器を選ぶ
プライベート空間の什器は、気が散らないように無機質で飾り気のないものにする。ここでも事務所の殺伐感もなく家庭的でもない、飽きない空間にする。
デスクの椅子は、座り心地にこだわる
長く座る椅子は、少しお金をかけてでも座り心地にこだわるのがいいと思います。We Work もオフィスの椅子にはお金をかけていました。まずはジェルクッションやバランスボールなら数千円で手に入るので、そこからでもいいのでは。
大型のホワイトボードを置く
これは WeWork と関係ありませんが、私が実際にやってみて超おススメしたいです。
思考停止しそうな時、広いキャンバスに書き出すと頭の整理がしやすくて重宝します。
また、複数人でリモート打合せする際も、ツールのホワイトボード機能よりも、フリーハンドで絵図を描く方が数段速くて、意思疎通が円滑に進みます。
スタンド型は1万円超~、壁に貼るシートタイプなら数千円で手に入ります。
私はこちらのスタンド型をヘビーユースしてます。安くて使える子!(10,978円)
ライブ中継で仕事空間を共有し合う
家だとついよそ見しがちな人は、職場のフロア映像など、メンバーと仕事空間を共有することで、自然と気持ちが仕事に向くようにしてはいかがでしょうか。
また、常にメンバーと会話できるようにしておくと、在宅でも人とのつながりを感じられるのではと思います。
以前知人が、職場は各国のメンバーと一緒に仕事をするけど、メンバーの様子がモニターに並んでいるので距離感を全く感じない、と話していました。
まとめ
在宅ワークをすると、これまでの「生活の場」としての機能に加えて「職場」、強いては「学習」の機能が「自宅」の一か所に求められることになります。
となると、限られた「自宅」スペースをどう使うか、何を重視するか、私達は取捨選択することになります。その結果、コワーキングスペースを使ったり、職場に時間をかけて通ったりと、多様な働き方になるし、「家」の在り方も変わってゆくと思います。
少しでも快適に暮らせるよう、これからは仕事場としての「自宅」にも意識を向けていこうと思います。