コンポスト「キエーロ」の黒土を菜園に使う方法

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よしまるブログでよく読まれているのが、コンポスト「キエーロ」に関する記事です。生ゴミの分解に3カ月位かかる一般的なコンポストと違って、キエーロは1週間で分解され、しかも臭いもない。生ゴミもほぼなくなる、理想的な代物です。

 

ただ、我が家のようなマンションのベランダでは、容量の限られたコンポストしか置けず、キエーロのミニ版「ミニ・キエーロ」となりますが、今度は容量と別の問題が出てきて年中は使えません。なので改良しています。

 

好気性のキエーロで生ゴミの分解に使うのは「黒土」です。

土中の微生物が生ゴミを分解するのですが、使い続けても、なぜか土の量は殆ど変わりません。だから半永久的に使えるのはいい…のですが。

 

生ゴミを堆肥化すれば当然、土が肥えます。これを菜園に使わない手はありません。

 

ところがここでもハードルが。

そのままでは菜園用には使えません。畑はともかくプランター栽培は。一番の課題は水はけ。赤玉土を混ぜても、納得のいく土にはなりませんでした。

 

でも、どうしても諦めきれず、試行錯誤していたら、ある日いい方法を見つけたので、以来、有効活用できるようになりました。

 

黒土がそのままでは使えない理由

黒土とは、関東地方の火山灰が積もってできた土です。柔らかくて保水性がある反面、通気性に欠けます。つまり、水はけが悪い。プランターだと、野菜の根が土中で息ができず、根腐れの原因になります。

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じゃぁ、どうすればいいの?

というと、粒度の細かい黒土に、粒が大きくて通気性のある土を混ぜます。よく使われるのが「赤玉土」です。この2種を混ぜることで、通気性と保水性を両方賄えるってわけです。

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「赤玉土」も黒土と同じ、火山灰が堆積したものですが、違いは、より深い層にある土なので重みで固い。それを乾燥して砕いて粒状にしたものです。

 

一方、黒土は表土にあって、落ち葉などの植物が腐敗した「腐植」が混ざったもの。こっちは微生物の温床です。更には、縄文人の野焼き、山焼きが数千年間渡り繰り返された歴史から、炭も混ざっていたりします。

 

歴史で習う、東ヨーロッパの「肥沃な黒色土壌」と日本のそれは別物です(笑)。

 

それでも、水はけが良くない

黒土と赤玉土、他の材料を混ぜて作った「野菜の土」で、野菜を育ててみましたが、ホームセンターで売っている「野菜の土」と比べると、やはり水はけが悪い。梅雨期に入ると、イキイキ育っていた苗たちが、次々に根腐れしました。

 

たまたまその年、自動水やり機を試しに導入したこともあって更に事態は悪化。朝夕の水やりが要らない反面、土の状態を見ながら水量調整ができず、根腐れが加速。ある種の淘汰が我が家のベランダで起こりました。

 

赤玉土も入れたのに、どうしてこんなことになったの?

と、収穫後のプランターをひっくり返すと、鉢底石の上に、水をしっかり吸った重い黒土の層が乗っていました。水やりを繰り返す中で、粒度の細かな黒土が、赤玉土の隙間から落ちて底に溜まったようで、それがプランター内の空気循環を遮っていました。

 

思いがけない発見

キエーロの黒土はただの肥沃な黒土ではありません。よしまるが飲みまくるコーヒーのかすがたっぷり堆肥化された、リンが豊富な土。黒土のデメリットを補う理想の土なんですね。だからどうしても菜園に使いたかったのです。

 

半ば、諦めかけたある日。

キエーロの中に、たくさんの粒状の塊ができているのに気づきました。黒土が粒状に!どうしてこうなったかはわかりませんが、これは使えそうです。

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以前も黒土を粒状にできないかは考えたのですが、加熱処理が面倒で断念したので、光明が見えた気がしました。それで色々と試した結果、黒土の粒化が簡単にできるようになりました。

 

粒化した黒土なら、プランター菜園に使える!

粒化した黒土がこちら。

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水をかけてみました。

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感動的な水はけ。粒も崩れていません。

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この黒土を使って、以前と同じ配合で「野菜の土」を作ったところ、プランターでも空気の循環をキープできるようになりました。

 

もはや、赤玉土を買う必要もなくなった気がしますが、不安も残るので、徐々に減らしていこうと思います。

 

野菜の土の作り方のポイントを少し書いておきます。

土の作り方はご家庭の方法で構いませんが、生ゴミが野菜中心の場合、黒土中の肥料分はさほど期待できないので、牛糞や油粕を混ぜ込むといいです。あとph調整も忘れずに。苦土石灰を入れたら2週間は種まきできないので余裕を持って。

 

粒度の細かな土は、キエーロで引き続き堆肥化に勤しんでもらいます。プランターに使った分、キエーロに新しい黒土を補充して、今年もがんばってもらいます~!

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少し手間がかかるけど、焼くよりずっと簡単で、これでコンポストの良質な黒土を、存分にプランター菜園に使えるようになりました。