この忙しない時代に、買い物に悩んで時間をかけるなんてナンセンスゥ!
と思いますか? いえいえ実は、悩んで買う方が幸せになれるというお話です。
買い物の時、どっちにしようか悩んだ挙句、何も買わずに家に帰って疲れがドォーッ、また不毛な時間を過ごしちゃったと後悔した経験ってありませんか?
あぁまた損した、と思っているあなた、実はそうでもありませんよ!
好きなものを悩んで買うと幸せになれる
よく知られている話ですが、
バージニア大学の学生に、カタログから好きなギフトを2つ選んでもらい、その際一方のグループには「選んだ2つは両方ともあげます」と伝え、もう一方には「選んだ2つのうち、どちらがもらえるかはわからないけど1つあげます」と伝えたそうです。
すると、「どちらか1つだけもらえる」グループは、長い時間悩んで選び、そのことで想像力が発揮され、2個もらえた学生よりも幸福度が高かったそうです。
はッ
手に入るギフトは少ないのに、悩んだ学生の方が幸せなんて!
私たちの感じる幸せの大きさは、単純に数の問題じゃなくて、悩む過程でしたたくさんの想像や、沸いた愛着や、いい物を得たという満足感が付加されて、そうしたトータルで計られるみたいですね。
最近は「時短」「効率化」の文字が目につきますが、好きなものや長く使いたいものはじっくり考えて買った方が幸せということを、心の片隅に置いておきたいものです。
好きじゃないものも、悩んで買う方がいい
じゃぁ、好きじゃないものは? 悩まずサクッと買った方が効率的なの? というと、そうでもありません。
知人男性の実体験なんですが、当初彼は「洋服にお金や時間をかけるのはナンセンス。必要な時に安いものを買うのが一番効率的だ」という考えでした。
不思議なことに、なぜか彼の衣類はどんどん増えていったそうです。なんとワンルームにYシャツが20枚、スーツが20着、GパンやTシャツ、防寒着も多数!
ん?これだけの量を買うのに、逆にお金も時間もかかってない?
なぜ増えた、衣類?
これ、ずぼらと無計画が原因です。聞いてみるとこんな感じ。
スーツをクリーニングに出し忘れ、翌日の通勤用にアオキでスーツとYシャツ数枚を購入。その繰り返しで数が増えた。
普段使いとフォーマル用を使い分けないから、どれも同じスピードで傷んでいく。そんな中、取引先への大事な提案を控えてヨレヨレのスーツしかないと気づき、またアオキで安いスーツとYシャツを買う。
ある週末に安いカーディガンを買ったけど、会社に着ていけない柄なので、後日会社用も買った。真冬に寒くて厚手ジャンバーを買ったけど、スーツを着ると腕が入らず、スーツ用のコートも買った。
こんな風に、その場その場で必要なものを買うと、お金も時間も無駄になることがあります。その上、部屋は服でいっぱい、探すのも一苦労。
その後彼は、結婚を控えた彼女に量を1/4にするよう約束させられ、半ば強制的にスリム化を敢行。はじめは不満タラタラだったのですが、ある日、今までの生活よりずっと効率的になっていると気づいたそうです。(これは彼女から聞いた話です)
誰だって好きなものに時間やお金を費やして、逆にどうでもいいものにはかけたくないですよね。でも、考えなしでいくと本末転倒になってしまうという例です。
だから、好きじゃないものも、最初はどうしたら効率的か考えて買うと、好きなものにより時間やお金を費やせるようになる=幸せ度が上がる!ってことです。
Appleの創始者スティーブ・ジョブズさんは、洋服に悩みたくないので三宅一生デザインの黒のタートルとリーバイスのジーンズしか買わなかったのは有名ですね。
悩むべきはモノだけじゃない!
悩んだ方がいいのはモノだけじゃありません。
好きじゃない家事や仕事をなくすには?早く終わらせるには?
好きじゃない人からの誘いを断るには?
親から怒られないで楽しい学生生活を送るには?
毎年の人間ドックの胃カメラを苦痛なく受けるには?
どれも好きじゃないカテゴリですが、そこを悩んで、少しずつでも策を講じることで、好きなものに囲まれた生活に近づいていきます。
試行錯誤の過程で得られたことは、他にも応用がきくので、次を考える時に解決策に辿り着きやすくなります。多角的な見方ができると楽しさも広がります。
単に数の大小じゃなく、想像や知見も含めて、総合的に幸せを感じる人間という生物は、すばらしいなって思いますね。