素晴らしきかな、足立美術館!

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島根出張のついでに、ミニベロ折り畳み自転車CARACLEで1日周遊しました。

今回は訪問地の1つ、足立美術館がとてもよかったので紹介します。

 

広大な日本庭園は素人目にも素晴らしかったし、お茶、絵画、陶器と盛りだくさんで、芸術センスレスなよしまるでも色々と楽しめ、気づきがありました。

 

まぁ芸術なんで、感じ方は人それぞれですが… よしまるも自身の感動を記しておこうかと。(あの時こんなこと思ったんだ…)と読み返すのも楽しそう❤ 少しでも足立美術館の魅力が伝わるといいな。

 

こだわりの、巨大な日本庭園!

足立美術館は、島根の実業家、足立全康さん(1899~1990)が長年集めたコレクションと、彼のこだわりの日本庭園です。

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俺だよ、俺。

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日本庭園はなんと、5万坪もある巨大な庭園 なのです。

この広大な庭を、職員・庭師さんが年中無休で毎日掃除し、白砂利石を手洗いし、赤松の幹を赤くするために手作業で皮を剥ぐなど、途方もなく丁寧な手入れをしているというから、驚きです。

 

そのおかげもあって、世界規模で絶賛されています。

・「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」で18年連続日本一

・「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」最高評価三つ星を獲得

 

素人でもいい写真が撮れる!

ブログを始めて約1年、撮った写真は相当な数なのに、よしまるの写真はいつまで経ってもショボショボ(-_-;)。そんなよしまるでも、どこから撮ってもイイ感じに出来上がる、すごい庭ですよここは! 要は、どこから見ても絵になるように作られてるってことだよね。

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庭は美術館の中から鑑賞しますが、壁のあちこちが切り抜かれて、そこからまるで1枚の絵画のように見える作りになっています。みてみて!よしまるでこのレベル。

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俺だよ、俺のこだわり。

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壁一面がガラス窓になっている場所は、スケールの大きな眺望。庭には落差15mもある人工の滝までありました。

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巨大な絵画が間近で見れる、迫力凄い!

美術品の所蔵もすごくて… 横山大観のコレクションが130点、他にも著名な日本画家の作品が1500点も所蔵されています。

 

俺が長年かけて集めたのさっ

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一人の実業家がすごい数を集めたものです。

 

屏風絵や大きな掛け軸絵を間近で見れて…なんか凄い迫力でした。筆遣いを生で感じられるのって、写真と全然違う。どの作品からも画家のエネルギーを感じました。

 

特に気に入ったのがこちら、山元春挙の「瑞祥」。蓬莱仙境を描いているんだけど、水の透明感に溜息がでました。是非実物をみてほしいです。全体に水色とオレンジ系でまとめていて、やわらかさを感じます。本当に美しい!

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絵から滲み出る、画家のこだわり

近代日本画コーナーでよしまるは、どの画家も 表現したいものが明確にあって、それをとことん追求した作品がそこにあるって思えました。

 

特に印象に残ったいくつか。

 

北野恒富の「鷺娘」の説明に「美人画というのはおしろいが匂い立つようでなければならない」と北野が言ったと書いてありました。ああそういうことか。絵を見て納得。間近で見る筆遣いから、画家の絵への追求が伝わってくるようです。

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石本正「舞妓立像」舞妓の陰の部分を表現しようと試みたそうで、表情から哀しみが漂ってきました。

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竹内栖鳳の「宿鴨宿鴉」。生い茂る木と、水辺で鳥が泳ぐ風景が、墨一色で表現されていました。墨一色であることで、熊野古道で感じた自然の厳しさ、寂しさの記憶がリアルに蘇ってきました。

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驚いたのが「白」の使い方。日本画の絵具にも蛤で作った白色がありますが、ここにある多くの作品が、絹地の白色をそのまま使って(色を付けずに)絵を完成していました。

 

この絵は、雪の部分に全く筆を乗せていません。

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こちらの雲の白もそう。

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遠近的には白い雲が手前にあるのに、それを切り抜いたように後ろの富士山を色づけしているんだよね。。この人たち、頭の中でどういう感覚で白を捉えてるんだろう。

あと今回は、立木染の吉水さんから「カメラの構図のセンスを磨きたければ、有料(一流)の写真や絵画をたくさん見るといいよ」とアドバイスを貰ったので、その辺りも意識して見ました。(立木染についてはこちらで紹介しています)

 

横山大観「愛宕路」など、掛け軸サイズのものも多くありました。こんな縦長のキャンパスに、ようこんなまとまりのある構図にできたもんだ、と感心したり。。

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よしまるはこれまで、美術館巡りに楽しみを感じたことはありませんでした。でも今回絵をじっくりみて、いろんな感動や発見があって、楽しかったです。

 

茶室がよかった!

美術館の一番奥にある、寿楽庵という茶室。

ここでも、窓からの庭園風景が、2枚の掛け軸のように美しく切り取られていました。

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朝一番で入ったので、よしまる貸し切り状態。お抹茶と和菓子でホッと一息。

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創立者、足立全康さん

実際に訪れてみて、疑問がフツフツ。

どうして、こんな田舎にこれほど見事な庭園がポツンとあるのかしら?

どうして、美術館と日本庭園が一緒にあるのかしら?どっちがメイン?

どうして、横山大観の作品がこんなに、ここにあるのかしら?

 

全部俺のこだわりよーっ

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どうして、こんな田舎にこれほど見事な庭園がポツンとあるのかしら?

俺が地元に恩返ししたいって思ったわけ。

どうして、美術館と日本庭園が一緒にあるのかしら?どっちがメイン?

庭園の四季の美に触れてから日本画の魅力を感じて欲しいっていう俺のこだわり。

どうして、横山大観の作品がこんなに、ここにあるのかしら?

俺が好きでしょうがなかったんだよ。

 

「俺のやりたい」を一人でここまで実現した足立全康さんですが、彼は生まれながらのお金持ちではなかったそうです。農業で身を粉にして働いても報われない両親を見て、商売の道を決意し大成したそうな。。うーーん、うちの子はよしまるをどんな風に見てるんだろう…?反面教師で大成してくれんかな…。

 

足立美術館、見どころ満載のすばらしい場所でした。展示品が変わっていくらしいので、また機会があれば行きたいです!